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【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第7章 世界一不思議な人【1月】


side.仁王雅治



名前に彼氏がいるのは知っている。


それを承知で側にいようと決めたんだ。

何とも思わなかった。


前までの俺なら、

絶対に…





「…名前?」

「ん?」

「何かあったんか?」

「何もないよ?」



いつも通り。

彼女はそう装っているが、その心は完全に上の空。


そんなの見ていれば分かる。

俺の洞察力を舐めたらいかん。



「男のこと?」

「………」



悲しそうな笑顔。

男のことだと確信した。

それと同時に何だか妙な気持ちになる。



何なんじゃろうか。

この胸糞悪い気持ちは…。


俺以外の人のことを考えてる名前が嫌だ。

俺を見ない名前が嫌だ。

俺以外の誰かが名前の心に入り込むのが嫌だ。


誰にも渡したくない。


俺だけを…

俺だけの…


気がつけば彼女を押し倒して、舌を首に這わせていた。


 
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