【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第6章 俺の全てが君のために【1月】
side.仁王雅治
「別に何も隠してないんか、ないよ」
妙に歯切れの悪い言葉。そして作り笑いを浮かべる随分と分厚い仮面。
しかし瞳は無防備に“恐怖”や“不安”を物語っている。
こりゃ重症じゃな。
少々荒療治だが、やるしかない。
俺は名前をベッドに押し倒した。
「きゃあ!ちょ、何するの?」
「おまんみたいな女が一番素直になれること」
抵抗する彼女の手首を両手で拘束し、顎のラインから首元へ手を添わせた。
「ひあっ!」
「喘いでおらんと言いんしゃい」
「何、を?」と困惑している名前に問う。
「お前さん。何を隠しとる?」
「………」
「何が怖い」
「………」
生憎、俺はその瞳は知っとる。