【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第6章 俺の全てが君のために【1月】
side.仁王雅治
「お前さん、ほんに切りとう思っちょるんか?」
「心底思ってるよ」
「だったら話は早い。彼氏出来たから連絡して来ないでー。言えばええじゃろ」
「、!!無理!!」
「無理って、相手は好意で近づいて来とんのじゃろ?」
「うん」
「そんくらい言わなきゃいかんと思うけどのう」
「う、うん」
「酷い女やのう」
「えっ?」
「デートの約束しといてドタキャン」
「………」
「連絡する言うて連絡せん」
「………」
「相手の男だって可哀相じゃろ」
「………」
俺の言葉に涙ぐんでしまった名前。
気に食わん。
だが俺にはどうしても理解できなかった。
彼女が心底男たちを鬱陶しく思っているのは分かる。
彼氏の電話にはきちんと出るし、自分からも連絡している。
そして呼ばれれば出かける名前を俺は知っているからだ。
なのに、好きでもない男にはあまりにも消極的。
全く分からん。
嫌われたくないんじゃろうけど…
「なあ?お前さん、一体何を隠しとる?」
言わんのなら、その瞳に教えて貰う。