【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第4章 彼女の事情【1月】
side.仁王雅治
「すまん。それで?」
「うん、だから彼氏といっても仁王さんとはシない」
「ほう」
「その彼氏とは色々あって、ちょっと距離を置きたかったんだ」
「距離置くって、それ別れる前提のようなもんじゃろ?」
俺の言葉が辛辣だったのか、苦笑いをする名前。
正直、俺には分からない。
何故、世の中の彼氏彼女は距離を置くなどと言って、別れを先延ばしにするのか。
「本当に好きなのか、ただの寂しさなのか、確かめたいんだよ」
「要は利害関係が一致したんか」
「まあ、そんなとこかな?」
名前は笑って誤魔化した後。
「あとね…」
と言葉を続けた。
「まだ、あるんか?」
「他にも何人か言い寄ってくる人がいるの」
「ほう」
意外とモテるんじゃのう。
若干の驚きと、そんな失礼な事を考えながら、名前の話に耳を傾ける。