【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第41章 決着【6月】
side.幸村精市
「柳生」
「はい」
「名前を頼む」
「分かりました。行きましょう?名前さん」
「…うん…」
俺と蓮二と仁王以外は名前を保健室へ連れていくよう促す。
名前たちが出て行ったのを見届けると、仁王がゆっくり女子たちに話し始めた。
「なあ?お前さんたちは俺に何してくれる?」
「…雅治…何って…何して欲しいの?雅治の言うことならいくらでもっ___」
「何してくれるか聞いとる」
怒気を含んだ仁王の問いに押し黙る女子。
「名前はな、俺のためなら何もかも捨てて守ってくれる」
「………それは…」
「例え俺の顔がぐちゃぐちゃになったとしても、悪非道の犯罪者になって刑務所に入ったとしても、名前だけは俺の味方になって、何を犠牲にしても俺を守ってくれる」
「………」
「お前さんたちが欲しいんは、俺の何じゃ?」
「………」
「次はない。話はそんだけじゃ。よく覚えとけ」
何も言い返せない女子に、仁王はそれだけ言うとこちらに振り返った。