【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第40章 戦う女達【6月】
side.幸村精市
その時、パッと視界に入る銀髪。
衝突寸前のところで名前を支えたのは、いつの間にか現れた仁王だった。
「…雅治くん…」
明らかに表情が険しい仁王。
これば、やばい…
「…お前さん、今、名前に何した?」
「なっ…何したって?その子が先に手を挙げたの」
「そうよ、元はと言えば雅治が悪いんじゃない。私たちと切るなんて言うから!」
「名前に手出したら殺す言うたよな?」
「えっ?」
仁王の言葉に戸惑う女子たち。
俺たちも呆然と仁王の言葉を聞いていた。
「ちょっ!雅治、冗談でしょ?」
「仁王!」
「雅治くん!」
女子に詰め寄る仁王をジャッカルが止めようとした瞬間、女子を庇うように名前が立ちはだかる。
………
えっ?
その場の空気が凍る。
仁王の怒気も一瞬にして消えた。