【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
「何でお前の話になってるんだよ!真田!」
隣を見れば、膝の上に拳を作り顔を俯かせる真田。
俯いたところで耳まで真っ赤になってるんだから照れているのがバレバレだ。
そんな姿が余計に俺の笑いを煽り、俺は腹を抱えてその場に蹲った。
そんな時、5限開始のチャイムと共に後ろからバタバタと聞こえる足音。
きっと蓮二たちだろうと思いながら俺は笑い転げていた。
「精市、名前の状況は?」
シュタッと効果音がつきそうな機敏さで、俺の隣に立て膝をついてしゃがみ込む蓮二。
なんだかこいつカッコイイな…
少々複雑な心境になるが、とりあえず現状を皆に報告すると赤也と丸井が笑い始めた。
「ぶふっ!真田派と仁王派のバトルって、マジでウケんだけど!」
「ふっ、役得だな弦一郎」
「蓮二!何を言う!?」
「うるせーよ、真田」
「すまん…」
真田を一喝してから、また中の会話に耳を傾ける。