【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
「思ってるわよ!現に今までの雅治はそうだったし」
「あんたさえ来なけりゃ良かったのよ」
俺より先に名前がキレてしまったため、俺の怒りのボルテージは急降下。
大人しくその場で女子の言い分を聞いていれば、呆れを通り越して馬鹿かと思った。
本当に眩暈を起こしそうだ。
「はあ!?私のことなんかほっといてよ!あんたたちに私の存在どうこう言われたくないし!だいたい、さっきだって一緒にいた弦一郎くんにひどいこと言ったでしょ?あれ謝ってよ!」
「はぁ?何?今度は真田くんを落としたいわけ?」
「誰もそんなこと言ってないじゃない!弦一郎くんに対してあんな言い方したのを謝ってって言ってんの!でも、そうね、雅治くんより弦一郎くんみたいな人の方が素敵だって私は思うけど、あなたたちの目は節穴ね」
「はぁ!?雅治より真田くんとか信じらんない」
「真田くんなんかただの堅物じゃない!」
………
「ぶふっ!」
大胆にずれ始めた女子の口論に俺は思わず吹き出してしまった。