【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
「今更テニスがしたいだなんて意味わかんないし!」
「だいたい、その彼女ってあんたなんでしょ?こんな地味な女…はっ!笑える」
やばい。
俺の怒りのボルテージがマックスになりそうだ。
別に仁王の女関係に口を出す気はない。
あの頬すら今まで行ってきたことを思えば、自業自得だと思う。
だが、それをテニスや名前のせいにされるのは堪らない。
やっとテニスに本気で向き合ってくれた仁王の姿勢はすごく嬉しかった。
それに名前だって、まだ謎は多いが唯一仁王が真剣に好きになった子だ。
憤りを感じた俺は、立ち上がり中へ入ろうとする。
「言わせておけば…ギャーギャー!ギャーギャー!あんたたち何がしたいの?雅治くんが好きなんでしょ?」
「だからあんたに消えて欲しいの!」
「バカじゃないの?私が消えれば、雅治くんがどうにかなると本気で思ってんの!?」
中から思いもよらない名前の怒号が響いて俺の動きは止まってしまった。