【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
正直、高校生が同棲してるっていうのは微妙だ。
仁王と名前の関係はまだ謎は多いが、少し胸のモヤモヤが晴れた気がした。
俺が名前の言葉に一人納得していると、突然隣からすすり泣く声が聞こえる。
「何泣いてんだよ?真田」
「すまん。だが名前のいたいけな姿が哀れに思えて…」
「哀れはお前だよ。静かにしろよ」
「すまん」
俺は真田に呆れながらも、もう一度中の様子を見た。
「はぁ?何それ?ちょっと図々しいんじゃない?」
「で?何で雅治が急に私たちと切りたいなんて言い出したのか。ちゃんと説明してよ」
おいおい、それを名前に聞くか!?
俺は心中盛大なつっ込みを入れる。
「私は知らない。あなたたちは理由を聞かなかったの?」
「テニスに専念したいし、彼女ができたって言われたわよ」
「ちゃんと理由知ってるじゃない。それなら―」
「そんな理由で納得できるわけないでしょ!」
「えっ?」
お話にならない女子たちに沸々と怒りが沸いてきた。