【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
「私もあなたたちに一つ聞きたいことがあって来たの」
「はっ?何よ?」
「今日のお昼休み、雅治くんの頬が赤かったの。その原因知ってる?」
「あれは雅治が私たちと別れるって言い出したから、ちょっとしたお仕置き」
「でも私たちは認めないから」
………
はっ?
まさか、あの頬の原因を聞くためだけに、ここまでついて来たのか?
なんて無謀なんだ…
と唖然としてしまう。
しかし仁王の頬の原因は、なんとなく予測はしていたけどやっぱりそういう理由だったか。
「それより、あんたは雅治の何?どんな関係なの?」
ふんふんと納得していると、俺も少し疑問に抱いていた事を、ファンクラブの一人が名前に問いかけた。
「私は雅治くんの彼女。でも、そういう関係になったことは一度もないし、身寄りがないから面倒見てもらってる関係」
ふーん。
そういうことか。
仁王がやたら過保護にするのは好意だけではなく、そういう理由があったのか。