【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第39章 女達の戦い【6月】
side.幸村精市
「あんたさぁ。マジで目障りなんだよね。雅治だけじゃなく真田くんまで垂らしこんでウザイんだよ」
「あんた、雅治の何なの?聞けば昼休みもテニス部と一緒に過ごしてるみたいじゃん」
「雅治に関わんないでよ。アレは私たちものなの」
「だいだいね___」
化学室へ近づくなり、徐々に聞こえてくる女子の罵声。
こういう時の本当に女って見苦しいな。
蓮二に連絡を入れながら、と走っていると、とうとう化学室前へ到着した。
このまま突入してもいいが、少し中の状態を把握してからにしよう。
そう決めた俺と真田は、化学室の前に座り込んで、少しだけドアを開ける。
会話に耳を傾けながら、その隙間からこっそり中の様子を覗いてみた。
室内には、ざっと20人くらいの女子たちに名前が囲まれている。
こんな大勢に罵声を浴びせられて…
名前は泣いてないだろうか?
その後ろ姿が見て不安になる。
…が!
予想に反して驚くべきことが起こった。