【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第38章 踊る大捜査線【6月】
side.幸村精市
でも実際その場に俺がいたわけではないのだから、そこまで咎めることはできない。
真田を護衛にチョイスした俺にも責任はある。
「はぁ、反省なら後でできるだろ?お前は今の自分に出来ることを考えろよ」
「、!!…名前を探しに行く」
「そうだな、俺も付き合うよ」
「じゃあ俺、他の先輩たちに知らせて来るッス!」
他の奴らへの連絡は赤也に任せて、早速、真田の情報を元に名前の捜索を始めた俺たち。
だが、その足取りはなかなか掴めない。
口止めされているのか、もしくは人目につかないよう計算されたルートを通ったのか…
如何せん情報が少なすぎて、この広大な立海を探しまわることは不可能だ。
時刻を見れば、もうすぐ昼休みも終わりを告げようとしている。
これは探すだけ時間の無駄だ。
そう判断した俺はすぐさまうちのブレーンに電話をかけ事態を報告する。
『事情は把握した。曜日、時間、目撃証言、条件的におそらく化学室だ』
さすがはうちの参謀だ。
本当に頼もしい。
しかし、ファンクラブの奴らめ。
俺の一番嫌いな化学室を使うとは全く忌々しい。
蓮二の情報を元に真田を連れた俺は、化学室へと急いだ。