【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第37章 赤く腫れた頬の原因【6月】
side.真田弦一郎
幸村に促されるままに屋上を出て名前を探した。
すると、階段を下ったところで名前が数人の女子に呼び止められているのを見かける。
「苗字さん、ちょっとくらいいいでしょ?」
「…話って何?ここじゃだめなの?」
「雅治のことだから、ここじゃ、ちょっとね」
「、!!」
見る限りあまり友好的ではなさそうだ。
先日、仁王との交際が発覚(テニスコートでの一件)した名前。
やはり一部の女子から反感を買っていたのだろう。
仁王が名前をひどく大事にしている(自分も)手前、これを見過ごすわけにはいかない。
俺は囲まれている名前の前に、庇うようにして立った。
「話ならば俺が聞こう」
「えっ?弦一郎くん?」
「「真田くん!?」」
「ちょっ、何で真田くんが!」
突然の俺の登場に狼狽する女子たち。
「用がないのであれば俺たちは戻る。行くぞ、名前」
「えっ?でも…」
何故か渋る名前。
この状況を分かっていないのか、危機感がないように思える。
俺は強引に名前の腕を掴んで元来た道を戻ろうとした。