【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第37章 赤く腫れた頬の原因【6月】
side.真田弦一郎
しかし、やたら好戦的な女子たちがそれを黙って見過ごすわけがない。
直様、食い下がって来た。
「ちょっ!苗字さん、待ちなさいよ!」
「そうよ!女同士の話に真田くんは必要ないじゃない!」
そう言われてしまっては躊躇してしまう。
だが、このような女子たちの中に名前を一人置いていけるわけがない。
「…駄目だ。行くぞ、名前」
俺は歩きだそうとするが、名前は動かなかった。
「弦一郎くん、私も彼女たちに聞きたいことがあるの」
「はっ?」
その発言に驚いて視線を名前に向ければ、何かを覚悟したような強い瞳を向けられる。
いつもと違うその瞳に言葉を失った。
「弦一郎くん、大丈夫だから」
目を逸らせないでいるともう一度言われ、俺は頷くことしかできない。
俺は凄みをきかせた目を女子に向けると、ゆっくり名前の腕を離した。
「お前らに一つ忠告しておこう。名前に手を出せば、俺は容赦しない」