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【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第37章 赤く腫れた頬の原因【6月】


side.幸村精市



俺たちが悶々と仁王について思案していると、名前が飲み物を買いに行くと立ち上がった。


仁王の頬の原因が女だとすると、今名前を一人で出歩かせるのは少々危険だ。


そう考えた俺は、一緒に行くと言ってみるが、あっさり断られた。


この俺を断るなんて…

ちょっとショック。


屋上を出て行く名前を笑顔で見送った俺は扉が閉まるのを確認すると、即座に真田に蹴りを入れた。

半ば八つ当たりだ。



「ぐっ!幸村!?何をするのだ!?」

「何をするのだ!?じゃねえよ!お前こそ、何言ってんだよ!?」

「真田はいまいち女心がわかってねえよな」

「むっ!しかし―」

「男のくせにつべこべ言い訳すんな。今すぐ名前に謝りに行けよ」

「だがっ―」

「見苦しいぞ、弦一郎」

「ぐっ!………分かった」



蓮二の一言が利いたのか渋っていた真田が腰を上げて追いかける。

本当なら、その背中にもう一発くらい蹴りを入れてやりたいところだ。


 
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