【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第37章 赤く腫れた頬の原因【6月】
side.幸村精市
「…随分と派手にやられたな」
「いやー。なんか痛そうでしたね」
「全治2日だな」
「4限の間に何があったんだろうなー?」
「ふんっ!大方女絡みだろう!」
「おいっ!真田!」
「女絡みって…雅治くん彼女いたの?」
真田が空気を読めないのは今に始まったことではない。
だが名前の手前、今の話はタブーだ。
確かに仁王は素行が悪かった。
しかし名前の出現以来改心したのだ。
ジャッカルが真田を窘めるが、案の定名前の気に触ってしまったようだ。
俺は真田を一睨みしてから、直さま名前の顔色を窺う。
だが、名前は俺の意に反してキョトンとした顔をしている。
えっ!?
セーフ!?
泣かないの!?
思いがけない反応に一瞬ズッコケそうになる。
「今は名前がいるんだし、気にしなくていいんじゃない?」
そうフォローを入れた。
(真田めっ!)