【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第36章 長閑な昼休みの事件【6月】
side.幸村精市
「あれ?仁王は?」
こんな状況なのに、いつも「名前、名前」と煩い仁王がいないのだ。
必然的に仁王と同じクラスの丸井に視線が向く。
「ん?ああ、そういや3限から仁王見てねえかも…」
「むっ!?サボりか!?」
「知んねえけど4限はいなかったぜぃ」
「仁王は3学年進級以来、授業を更けることはなくなっているはずだ」
「じゃあ具合でも悪くなったんじゃねえのか?」
3限から姿を消した仁王。
謎に包まれた仁王はサボりか否か…
そんな話をしていると、屋上の扉が“ガチャッ”と開いく音がした。
やっと来たか。
期待まじりに扉の方を見た俺たちはギョッとする。
入って来たのは確かに仁王だった。
だが、そのキレイな顔の頬が真っ赤に腫れていたのだ。