【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第34章 立海テニス部の方々【5月】
side.名前
雅治くんに促されて玄関へ向かう。
すると精市くんを筆頭に比呂士くんと蓮二くんが侵入していた。
あれ?
鍵は?
「こんばんは。急に押し掛けてごめんね。鍵開いてたよ」
「えっ?嘘っ!?」
げげっ!
また雅治くんに怒られる!
脳裏にあの顔が過った瞬間「気をつけないとね?」と精市くんに頭を撫でられた。
心なしか比呂士くんは何か言いたそうな顔をしているが、今は蓮二くんと精市くんのおかげでお説教は免れそうだ。
兎に角、玄関先では失礼なので中へ入るよう促す。
すると、リビングから「「ギャー!!」」と只事ではないような悲鳴が聞こえた。
靴を脱ぎかけた皆もぽかんとする。
何!?
向こうでは何が起こってるの!?
「名前、お前は危険だ。ここで待っていろ」
「えっ?蓮二くんこそ危険だよ!」
リビングへ向かう蓮二くんに着いていこうとすると、比呂士くんに腕を引かれて止められた。
何も語らず首を横に振る比呂士くん。
そこで私は察する。
今のリビングは危険地帯なんだ。
私だって命は惜しい。
私は、蓮二くんの生還を待つことにした。