【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第33章 常套手段は勘弁して下さい【5月】
side.名前
「………あ、間に合ってまーす」
ドアを閉めにかかる私。
しかし―
“ガツン”
「いやいや、勧誘じゃねーから」
「ぎゃあ!ドア閉めを足で遮るなんて常套手段だよ!勘弁して!」
これ以上のお説教はご免被りたい。
ちゃっちゃとドアを閉めたいのに、相手はあの丸井ブン太くんだから本気が出せない。
どうしよう!?
雅治くんのお友達だとしても勝手に家に上げたら説教される。
でも、雅治くんのお友達なんだから勝手に帰すのも気が引ける。
どうしよう!?
どうしよう!?
助けてー!
雅治くーん!!!
心の中で手持ち2枚程度のライフカードを取りだしながら、色々と考えていたため、ドアに伸びるもう2つの手に私は気づかなかった。
「先輩!大丈夫ですよ!勧誘じゃないんで!」
「つか、意外と力つえーな!」
「おい!こんな無理矢理あけようとすんなよ!」
ん?
今庇うような声が聞こえたけど、それより、
「、!!なんかいっぱい出てきたー!!」
「なんかって何だよぃ!?」
「ぎゃあ!丸井ブン太くんたちみたいな不審人物に使う言葉です!!」
「丸井先輩が不審人物ってしつれーっすよ!」
「じゃあ手を離して!誰か助けてー!雅治くーん!」
叫んだ瞬間だった。