第32章 特攻隊長は誰だ！？【５月】

side.柳蓮二



「ちょっと！ちょっと！雅治くん！！何してるの！？」

「えっ？名前っ！？お前さん、こげなとこでないしよるんじゃ！？」

「そんなことより、だめだよ！ケンカなんて！」

「誰だよ、こいつ！仁王の女か！？女がしゃしゃって出て来てんじゃねえよ！！」

「…われ、名前に何言うとんじゃっ！」

「いや、ちょっ、雅治くん！やめてってば！！」



名前が介入したことで更にヒートアップしてしまったケンカ。



………

名前。

お前は余計に煽っているのではないか？



俺が呆然と見入っていると、事態に気づいた精市が隣に並ぶ。



「いやいや、酷いことになって…って、あれ？何で名前があんなところにいるの？」



そして俺と同様に名前の存在に驚いている。


驚きを通り越して、やや呆れ気味の俺と精市は、後ろのコートへ足早に赴くことにした



その時。




「仁王！てめー！何、部活にまで女連れ込んでんだよ！このヤリチンがっ！」



平部員が仁王に暴言を吐いたのだ。

その瞬間、俺の視界にはスローモーションでとんでもない光景が映るのであった。