【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第31章 仁王の女【5月】
side.名前
「ねえ?雅治くん」
「なん?」
「私、1回でいいからテニス部見学してみたいんだ」
「、!!だめじゃ!絶対にだめじゃ!(この前、幸村が余計なこと言うとったから丸井や赤也が五月蠅い今は絶対に避けたい!)」
「ちょっとも?」
「ちょっとも!!」
「…そっか。分かった(ちっ!だめだったか!)」
「…ごめんな(何じゃ…この罪悪感は)」
それは、私が立海に通い始めて1ヶ月と少々経った日のこと。
私はあることに気づいてしまった。
なんと、立海に通っているのに王者と名高い立海のテニス部を見たことがないのだ。
そこで雅治くんに見学をしたいと申し立てたところ、完全な取材拒否ならぬ見学拒否。
大会前でピリピリしているわけでもなさそうだし、他の女の子が見学しているのは知ってる。(帰る時に「キャー!幸村くーん!」とテニスコートの方から聞こえるため)
何故、私だけだめなのだろうか?
気持ち腑に落ちないが、雅治くんが中々折れない性格なのは熟知しているため、渋々見学を諦めたように見せかけた。
が、しかし!!
ここで諦める私ではない。
私は何とか見学できる方法を考えながらも眠りについたのであった。