【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第31章 仁王の女【5月】
side.丸井ブン太
他の奴らは涼しい顔をしていることから、多分もう知っていたんだと思う。
俺は仁王と同じクラスだし、一緒にいる時間が多かったから、仁王のそういうとこは熟知していると思っていたのに…
しかし今回ばかりは予想外で、正直ショックだった。
「仁王!お前、女いんのかよっ!?」
「女っていうより、奥さんだよね?」
「(もう好きにせい!)…はあ。そうじゃな」
「マジッスか!?誰なんスか!?その名前って!?」
「ふふっ。それは秘密だよ」
「えー!気になるッスよ!」
「赤也。名前んことは詮索せんで。もしファンクラブにバレて狙われたら、たまったもんじゃないき」
「確かに仁王に女ができたなんて知ったら、えらいことになりそうだな…」
「今のところは大丈夫なのですか?」
「俺が見張ってる限りでは大丈夫だよ(俺の場合は俺のファンクラブ会長を脅したからね)」
皆がその名前という女の身を案じている時、俺は無言だった。
っていうか驚きすぎて声が出なかった。
だって、あの仁王が自分の女の心配をするなんて…
何?
今度の女は今までと違うってわけ?
この日以降、俺は仁王の女が気になって気になって仕方がなくなる。
しかし、そんな謎のベールに包まれる仁王の彼女こと名前が、俺たちの前に現れるのはそれから数日後のこと。
それは、ある事件がきっかけで公になる。