【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第31章 仁王の女【5月】
side.名前
翌日の放課後___。
テニスコートから少し離れた場所にひっそりと身を潜める。
ここならば誰にも気付かれまい。
1人二ヤリとする私。
木々草花の茂みから、こっそり部活見学に身を乗り出してみる。
暫くその場に腰を下ろしていると、部室から出てきた雅治くんたち。
その集団の中には、未だお目にかかることがなかったジャッカル桑原くんに、丸井ブン太くん、切原赤也くんも健在だ。
私は隠れながらも心の中で「うおーー!!」と興奮するのであった。
(、!!)
(幸村?どうかしたか?)
(いや…今、名前の視線を感じたような…)
(そうだな。名前が隠れるとしたら、恐らく__)
(ギクッ!)
(蓮二。幸村。何をしているんだ?)
(ん?ああ、何でもない。今、行くよ)
(………焦ったぁ…)