第31章 仁王の女【５月】

side.丸井ブン太



「なあ？仁王」

「何じゃ？」

「お前さ。ほんとに変わったよな」

「何じゃ？藪から棒に」

「いや。ほんとによ。それとか…」



最近の仁王は本当に変わった。

例えば…



「はっ？弁当が何だっていうんじゃ？」

「いやいや、今までずっとパンだったろい？最近ずっと弁当じゃん」

「ふふっ。丸井。仁王には名前っていう彼女がいるんだよ。可愛い可愛い名前の愛妻弁当なんだよね？仁王？」

「（また余計なことを！）ちょ！幸村――」

「「「はあ！？」」」



俺と赤也とジャッカルは声を揃えて驚きの声を上げる。



だって、あの仁王だぞ？

今まで散々女をとっかえひっかえしていた、あの仁王だぞ？

その仁王に可愛い彼女だって？


おいおいおい、マジかよ！？って顔になる。

俺たち３人は目を見開いて弁当と仁王を見た。