【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第28章 ゲリラ放送【4月】
side.丸井ブン太
一方その頃3-B___。
『迷子のお知らせを致します―』と、幸村くんによる意味不明な放送が流れた瞬間だった。
ガタッ―ンと椅子のひっくり返るような音がして、その方向を見ると、すごい形相でスピーカーを睨みつける仁王が立っていた。
仁王がキレてる。
正直恐い。
俺が仁王にビビっていると、スパーンと勢いよく教室のドアが開かれる。
今度はそちらに視線が向いてしまう。
入って来た柳生だった。
しかし、その様子は、
えっ?
お前、誰?
本当に柳生?
と疑いたくなるほど、ひどく取り乱した様子の柳生らしかぬ柳生だったのだ。
「仁王くんっ!!」
「何じゃ!?」
「ななな、何なんですか!?今の放送は!?」
「そんなん俺が聞きたいわっ!!とにかく急ぐぜよ!!」
「なな、何で校内放送!?えっ!?何で呼び出し!?えっ!?」
「知らんっ!!柳生、急いとんじゃ!!そこをどきんしゃいっ!!」
「仁王、柳生。こんな所で何を揉めている」
仁王と柳生?が一心に注目を集め、ギャーギャー口論していると、今度は柳が教室に入ってきた。