【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第27章 精市くんの疑問【4月】
side.幸村精市
春休み前には仁王、春休み中には柳生。
そして、例の脅迫状の一件から真田の様子がどうもおかしいのだ。
どこがと言われれば、仁王は急に練習に熱を入れるようになり凄く強くなった。
普通と言えば普通のことなんだが、今までの仁王からは考えられない行動なのだ。
柳生に関しては、もっと不思議な点が多い。
柳生は昼休みや部活の休憩中はもちろん。
その手が空けば、しきりに編み物や裁縫を始めるようになったのだ。
明らかにそれは小さい子向けのかわいい感じのものばかりで、柳生のファンの女子たちも若干引き気味だ。
柳生には妹がいるため、その影響か?とも考えたが、今までは妹に尽くすような行動を垣間見ることはなかったのに、突然始めるのはおかしいと思う。
しかも、俺は見てしまったのだ!!
編み物する柳生が、時折顔をニヤつかせているのところを…。
そこでピンと来た。
あれは妹の物ではない。
そして、変態そうだと偏見は持っていたが、まさかここまでとは、と、俺は正直とてもショックだった。
そして真田に至っては、例の一件以降、どうやら人探しのようなことをしているらしく、常にそわそわしていて鬱陶しい。
蓮二なら何か知っているかもと思い聞いてみたのだが、「ふっ」と笑うだけで何も語ろうとしないのだ。
はたして、部員たちに一体何があったのか?
俺は、ここのところ疑問でならないのだった。