第27章 精市くんの疑問【４月】

side.幸村精市



最近、部内の雰囲気が変わりつつある。

練習に支障を来しているわけではないので詮索したりはしない。


しかし、俺としてはやっぱりその原因を知りたいと思う。



「…っていうわけなんだよ」

「そうなんだ………（雅治くんは特別変わった様子なかったけどなぁ）」

「幸村くん。それ、名前に話したところでどうにかなんの？」

「だって名前くらいしか話せる相手いないんだもん」

「精市くん、お友達少ないの？」

「ふふっ。名前よりは多いと思うんだけどな？」

「、！！私にはしーちゃんとなっちゃんがいるもん」

「…そうだね（２人だけとかちょっと不憫だな）」



３限目が終わった後の休み時間。

後ろを振り返り、なんとなく最近疑問に思っていることを名前に話してみた。

すると、名前の横にいた櫻井さんが呆れながら話に加わってくる。


部員たちが変わり始めたのは春休み頃から徐々に…だ。