【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第25章 友達できるかな?【4月】
side.名前
「ただいまー」
「おかえり、雅治くん!ご飯できてるよ!」
「おー。嬉しいのう。ところで学校どうじゃった?」
「あ、うん。前の席の子と仲良くなった」
「おお!よかったのう。現役女子高生の会話にはついていけたんか?」
「いや、それが…男の子…」
「はっ!?男!?」
「…幸村精市くん」
「、!!」
帰宅後。
雅治くんに今日あった出来事を報告していると、やはりだめだったか、精市くんの名前出した途端、目を見開らく雅治くん。
何もそこまで驚かなくても…と見ていれば、「名前ちゃん…」と何やらがっかりした様子の雅治くんに、どうしたの?と声をかけると、雅治くんはため息を吐きながら今日あったことを話し始めた。
「幸村が昼飯食っとる時に言うたんよ。後ろの席の面白そうな女の子と仲良うなったって。それ名前ちゃんのことじゃったんか…」
「…そうみたいだね」
はあ、とため息を吐き続ける雅治くんを尻目に、夕御飯の支度の続きを始める私。
何やら気を揉む雅治くんには申し訳ないけど、これからの学校生活を楽しみに思う私なのであった。
(今日ね、後ろの席の女の子と仲良くなったんだ)
(ほう。精市が女子に嫌悪感を抱かないのも珍しいな)
(へえ。どんな女子なんだよぃ?)
(ふふっ。秘密)
(えー!教えて下さいよー!)
(ふふっ。じゃあね、すごく挙動不審で面白い子)
((挙動不審?もしや…))
((まさか…))
((いや、ないじゃろ))
(…?どうかしたかい?)
(いや、なんでもなか)