• テキストサイズ

【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第23章 人間の咄嗟の行動【3月】


side.名前



「本当にすまなかった!!」

「いえいえ!!私こそ!!いきなり飛び出して、出来る筈もないような真似をしたから当然なんです!!」

「だが、俺が―」



深々と頭を下げる真田弦一郎くん。

私の方こそ土下座して謝りたいくらいだ。



私が意識を取り戻した後、事のあらましを聞いた。

どうやら真田弦一郎くんはラブレターをもらっていたらしい。

しかし、相手は奥手な女の子。

名前を名乗る勇気もなく、偶然知ってしまった真田邸を度々見に来ていたようだ。

どういう思考回路でそうなったのかは疑問だが、彼女は真田くんの頭の中ではストーカーになってしまったらしい。



「むっ!ストッカーではないのか!?」

「真田くん、ストーカーね。ストーカーって語尾をのばすの」



というわけで、私が意識を失っている間、色々な誤解が解けたようである。

誘拐を企てるような子ではないと、話してみて分かったらしい。

これにて一件落着…





したように思えたが、事件はまだ終わっていなかった。



「あああああーーー!!!!!」

「なっ、何事だ!?」

「何!?」



突如、奇声をあげる私に驚く真田弦一郎くんと見知らぬ少女。


私としたことが…

やっちまった!!


重要なことを忘れており、焦る私。

あわあわと慌てふためき周囲を見渡すが、見つからない。

声にならず、ジェスチャーで手持ちの袋を2人に伝えてみるが、伝わらないようだ。

2人は「何だっ!?」とばかりに私を見ていた。


 
/ 236ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp