【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第19章 家庭教師【3月】
side.名前
良いペースで進んでいるように見えたのも束の間…
とうとう難問にぶち当たってしまた。
関数。
昔から何故か関数だけは不得手である。
いくら説明されても全くもって解せん。
雅治くんはそんな私に必死に言って聞かせるが、分からないものは分からない。
どこが分からないか聞かれても、最早分からないポイントすら分からないのだ。
私は必死に問題に取り組んだ。
しかし、そんな私の傍らで、あろうことか雅治くんが居眠りを始めたのだ。
憤りを感じた私は、関数の公式を眠りこける雅治くんの頬に大胆にも書いてやる。
見るだけで笑える。
高校生に戻って、精神年齢まで若返ったのだろうか?
私は関数のページを飛ばして、その後もちゃくちゃくと問題を解いた。
翌日。
鏡を見た雅治くんが「なんじゃこりゃー!」と叫ぶのを影でニヤリとほくそ笑む。
試験まであと11日。
私が自宅で必死に勉強をしている頃、立海では
「仁王くん!そのお顔、一体どうされたんです!?」
「、!!………」
驚く柳生くんと、雅治くんの顔を見るなり開眼する柳くんに、
「うっ!名前が関数できないからって、俺に…」
と雅治くんが泣きついてたことを私は知らない。