第6章 僕の名前を
とうとう鏡の前に着いてしまった。
アレンを鏡の前に下ろし、座らせる。
そっとアレンに手を添える。
(これで、ほんとに......最後だ)
この手で軽く押せば、アレンは鏡の世界から出る。
アルナ「......アレン...」
名前を呼んだら、鼻先がじーんとして視界が歪んだ。
ポロッ...
アルナ「あ、...あれ?」
目元から流れるものに、手を当てる。
そこには、僕の頬を伝う涙があった。
アルナ「な...僕、どうして泣いてんだ......?」
なおもポロポロと流れ続ける涙.........
アルナ「う...カッコ悪、僕!!」
慌ててゴシゴシと涙を乱暴に拭いた。
......最後は笑っていたいから...
僕は鏡の中から、見守ることしか出来ない。
これ以上、教団に追われるなんてごめんだからな......苦笑
アレンに向き直る。
今までの全てに対しての気持ちを込めて、伝える......!!
アルナ「ありがとう、アレン............
さよなら」
トンッ...
アレンの体が傾いた時、僕の口から一言こぼれた......
アルナ「......友達に、なりたかったな............」
僕は踵を返し、その場を離れようと立ち上がる。
アルナ「イノセンス"ふ...」
ガシッ......!!
アルナ「ゔ"ッ...!?!?」
??「なら!!」
何者かに手首を掴まれた...!!
誰だッ...!?
アルナ「うわぁッ...!?」グイッ!!
顔を確認する暇さえなく、そのまま引っ張られる...!!
??「なら、友達になりましょう!!」
アルナ「はぁッ!?」
グニャンッ......!!
ちょ...!!グニャンッてまさか.........!?
嘘だろ......!?...
僕は後ろに倒れ込むように............
鏡の世界から出ることとなった.........