第5章 教団の非日常
神田side
マリが聴いたことのない足音がするって言ってたから......急いで来てみたが、何もねえじゃねーかッ!!
神田「おいマリ!!ハア...ハア...何もねえじゃねーか!!」
そこには、驚いた表情をしたコムイらが居ただけだった。
俺は後ろを走っていたマリに怒鳴った。だが、姿が見えない。
くそッ..ハア...ハア..息が上がって喋り辛くてなんねえ.....!!
マリはまだたどり着いてねえのか......!!
ラビ「ちょ、ちょい待ち!!ほんとどうしたんさ?ユウ!」
神田「...ハア..俺をファーストネームで呼ぶな!!.....ハア...ハア..斬られてえのか?..」
ラビ「(怖っ...!!)...す、スミマセン」
マリ「...そんなに怒るな神田...ハア..ハア..」
神田「...ケッ...随分と遅かったじゃねーか」
ようやくマリが到着した。
俺の後ろから現れたマリを見て、またしても唖然とするコムイら。
マリ「..ハア..向かう途中で足音が違う場所に移動し始めたからな...その音を聞き取るのに手こずった..ハア..」
神田「移動しただと!?」
コムイ「足音?..誰のだい.....?」
マリ「それが分からないんだ。しかも、はっきりしない音だから途切れ途切れで聞き辛い....」
リナリー「えっ...?マリでも聞き辛い音ってあるの?」
マリ「いや、......大抵はないはずなんだが..........」
マリ自身も初めてのことらしく、困惑の表情を浮かべていた。