第12章 過去を語る
そして部屋に戻り、鞄を掴み机へ向かう。
カチ…コチ…カチ…コチ………
……なんだろう、今日はやけに時計の音が耳に入る。
いつもなら雑音程度。集中していれば、全く聞こえて来ないのに………
妙に胸騒ぎがする………
その空気に耐えきれなくなり、リビングに向かった。
アルナ「……お母さん?」
先ほどまでいた筈の母の姿が無い。
作ったマドレーヌはそのままテーブルの上にあるのに…
「きぁぁぁあぁぁああああッ…!!!!!!!!」
っ…!?…お母さんの声…!?
遠くからお母さんの叫び声が聞こえた。
どっからだ!?…お母さんは何処だッ…!?
急いで部屋から飛び出す。
「あつッ…!?」
なにこれ…ッ!?!!?
辺りは一面の、赤。
廊下は一瞬のうちに火の海と化していた。
さっきまで何も無かったのにッ…!!
お母さんの笑い顔が脳裏に浮かぶ。
…お母さん…見つけないとッ…!!!!
そうだ、お母さんだけじゃない。
お父さんだっているかも……それに、
_____も帰って来てるかも…!!
私は全力で屋敷内を走った
アルナ「...みんなッ!?......みんなどこなの...ッ!?...」
アルナ「...母さん、父さんっ...!!...アルトッ...!!...」
無意識のうちに叫んで........
(......熱い...!!...息苦しい...ッ...!!)
アルナ「熱い熱い熱い熱い...ッ...!!!!誰かっ..!.苦しい...ッ!!」
...熱さと息苦しさで、息が酸素が上手く回らない...........
そんな炎の中を身を焼くような思いをしてまで、みんなを探した。
必死に走り続ける
どのくらい......走ったのかも分からなくなった頃..........
アルナ「……っ母さん…父さんッ…!!」
やっと見つけた……ッ!!!
行き着いた先は、お父さんの仕事部屋。
アルナ「……ねぇ?…母さん…父さん!?」
そこに、ふたりは...倒れてた.........