第1章 愛しの及川さん
21.羽ばたいて欲しいの
「不安なのは、俺が海外に行ってる間のことだよ」
「そっか」
「もしが俺を忘れちゃったらって考えると、不安になる」
「安心して。それはないから」
「何で言いきれるのさ!分かんないじゃん!」
ムキになる徹にが可愛くて、フッと笑みが溢れる。
徹の頬を包みキスをする。
「徹のことしか見れないよ」
ポカンとした顔の徹も、珍しい。
昨日、散々いやらしい事したのに、キスくらいで。
「。好き」
「うん」
「すっごく好き」
「うん」
「だから待ってて」
「うん」
「ほんと?」
徹の顔がパアッと明るくなる。
「うん。ほんと」
「。好き」
「うん」
分かってるでしょ?
私はずっと前から徹のモノなの。
この気持ちから逃れられないの。
徹を待ってる。
だからお願い。
貴方には世界に羽ばたいて欲しいの。