第4章 甘 い 嫉 妬 [宇髄天元]バレンタイン
私の記憶にあるのは…天元さんが丁寧にお腹を拭いてくれたところまで
どうしてまた、私の上に天元さんがいるのだろうって思ったけど、そんな思いは快楽によってどこかへ行ってしまった
結局、天元さんが満足したのは夕食時。
体が痛い…脚がガクガク…
下腹部はジンジンと余韻が残ってる
『はな、腹減ったな。俺チャーハン作るわ』
「えっ?今日バレンタインだよ?私作るよ!」
『バレンタインとか関係ねぇよ。今日は無理させた。』
私はそろそろと天元さんの腕から出ると、お気に入りのワンピースを被った
そしたら後ろから抱きしめてきて
『俺の作った飯は食いたくねぇの?』
なんて甘い声で言うから…
「食べたい…だって凄く美味しいもん」
よし決まりな!
と服を着ながらリビングへ向かう後を追いかける
大きい背中…
さっきまでヤキモチやいていたのに
もうご機嫌で。大きい背中に似合わず可愛いの
でもそう言うと怒るから内緒
そんな彼が機嫌の良い内に、生チョコのラッピングをしてしまうおうと冷蔵庫から取り出すと
ネギを切ろうとしていた天元さんが横目で見てきた
その、視線に気付かないフリを決め込んだ
……あっ、しまった。包丁がいる…切らなきゃいけないんだった…
『それ…切るんだろ?俺が切ってやる』
なんでか包丁裁きの上手い天元さんは生チョコも均等に綺麗に切ってくれた
「ありがと……」
『つぅか、ラッピングも俺やるわ』
ん…?
なんて…?
『そうすりゃ、俺からの義理チョコだ』
謎理論……
でもそれで納得するなら、お任せしよう
「いいの?ありがと…ねぇ…天元さん?」
私は今日特別な物を用意している
『んー?』
ネギに目を落としたまま耳を傾けてくれる
「こっち向いて?」
私は冷蔵庫から出した大切な物を掌の上に乗せた
『んぁ?』
間抜けな返事をしながら振り向いた天元さん
私の掌の、上の物を見てビックリしてる
『それ…』
「チョコだよ!天元さんへの。私の大本命…」
シルバーの箱に赤いリボン
天元さんみたいでしょ?
『お前…これいつ?』
「お昼まで出てってお願いしたでしょ?その時にね。今年は…同棲してるでしょ?車で帰らなくてもいいから、ウイスキー入れたの…」