第4章 甘 い 嫉 妬 [宇髄天元]バレンタイン
このワンピースは私があまりに気に入ったものだから、次の日に色違いでもう一着買ってきてくれた。
この大きな天元さんが、レディースの売り場で選んでいる姿を想像したら、この部屋着がもっと愛おしくなった。
俺は今、すこぶる機嫌が悪い。
甘いチョコの香りがする部屋で、可愛い彼女が他の男の為に手作りの生チョコを作ってるからだ。
昼まで出て来いと言ったくせにチョコ作りは終わってねぇ
手持ち無沙汰で観始めた好きな映画も、どうでもいいくらい
ソワソワしちまって
大人げないとわかっていながら苛立ちを隠せない俺を、放っておくのが一番と当たり障りのない返事をする彼女にもまた苛立った
それによ…俺のあげたワンピース着てんじゃねぇよ
他の男の為に作るチョコの匂いが染み着いたらどうすんだ
はなは俺のもんだろ?
チョコを型に流しこみ、あとは固まるだけ
と嬉しそうに冷蔵庫に入れたはなに俺が食らいついた。
嫉妬しながらも、作り終えるまで待った俺を褒めてくれてもいいんじゃねぇの?
そしたらそんな俺を見透かすように言うのな
「待っててくれたの?ありがと…」
首筋に歯を立て食らいついた俺の頭を撫でながら受け入れるはなに、さっきまでの苛立ちはすっかり消えてるもんだから、敵わねぇ
『甘い匂いさせやがって、誘ってんの?』
「待っててくれたお礼…するよ?」
まじ、やめて欲しい…そう言うの
すげぇそそられる
こいつの白い首筋は部屋に充満したチョコ匂いだかはなから香ってんだかわからねぇ甘い匂いがする。
それが…堪らないほどクラクラさせる
『手加減しねぇからな。覚悟しな。俺を嫉妬させるとどうなるか、体に叩き込んでやるよ。』
俺は大口を叩くものの、パンパンに腫れ上がったソコはもう限界寸前だ。
小柄で細いはなを抱き上げるのはお茶の子さいさいで、それでも落ちないようにとしっかり腕を回してくるところ…可愛いすぎる
「いいよ…今日は…天元さんに付き合う…」
いいのかよ?
まだラッピングのこってんじゃねぇの?
こんな調子じゃ、朝まで手放せそうもないのにな
『今日だけかよ。それになんだよ、他の男につくるチョコにやましい気持ちでもあんのか?』
『ないよ…そんなの!だって、怒ってたから…』