第2章 風 の 憂 鬱 [不死川 実弥]
不死川は行灯の燈を落とした。
これから自分がしようとしている行為への背徳感から少しでも目を背ける為に灯りを消したかった。
そして柱に背を預け座った
着崩した浴衣の帯を解くと、苦しみから早く解放して欲しいと主張するモノで褌がいっぱいになっていた。
あの吐息を吐いた唇に口づけたい。
そう思っただけで、まだ触ってもいないソレがぐんと大きくなった。
『はぁ…ったく…俺はどうしちまったんだァ。』
そっと褌越しに手を添え下から上へ撫でてみた。
『うっ…くっ……』
先口からは露が出てくることがわかる。
優しい刺激が、はなに触られているような気がしてぞくりと鳥肌がたった。
優しい愛撫を続けると
不死川様…
くそっ!!今呼ぶんじゃねェ!
耳に残るはなの声が手を速めさせた。
直接触れてくれと先口からは相変わらずだらだらと露が流れ出て褌を濡らしていった。
もう我慢ならないと褌の横から手を滑り込ませ、窮屈な褌の中から男根を解放すると、しっかりと握り律動を始めた。
『はぁ…はぁ…はな…許せ……』
お前はどんな声で鳴くんだァ?
どんな顔してよがるんだァ?
俺が思ってるよりもずっと厭らしいんだろ?
不死川の手で下から上へしっかりとしごかれる。
艶々と雫が掌まで流れると、時折水音が聞こえ、ますます不死川を昂らせる。
『うっ…はぁ…お前に……触ってもらいてェ』
はなの白くて細い指で触られて欲しい。
そんな決して叶わぬ願望が、吐精感を生む。
『くそっ…まだ待ってくれ…』
抱き上げたときの柔らかさ。
髪の香り。
首元の赤い花。
煉獄に抱かれて、益々いい女になってんじゃねぇか
悔しいくらい…
でもよォ、はな…お前には笑っていてもらいてェ
俺がお前を想ってるなんて言ったら困るんだろォ?
優しいお前のことだ。
だからこの想いは留めといてやらァ。
その代わりよォ……幸せになってくれよ。
煉獄の隣でだって構わねェ。
はな…お前が笑顔でいられる場所は煉獄の隣だってことは…俺だってわかってらァ…
けどよ、今日だけは…最後まで俺に付き合えやァ