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夜空に輝く星一つ。【鬼滅の刃 短編 中編 】

第2章 風 の 憂 鬱 [不死川 実弥]



宇髄がひょっこり現れて、屋敷へ入れと促された。


相変わらずでけぇ図体してんなァ


そんな事をぼーっと思っていたら

「不死川様もありがとうございました!」

笑顔を向けてくるはなに不意を突かれたような気がして、気の効いた返事なんてしてやれなかった。

かと思えば、

不死川がいらっしゃるとわかれば、おはぎを作ってきたのですが……あの日、不死川様にお話聞いて頂いて、気持ちも楽になりました。


そんな事を耳元で囁くものだから更にどうして良いかわからなくなる。

おはぎか…確かにあいつのおはぎは美味かった
でもよォ、そんなにされたら、ありもしない勘違いしちまうんだァ。

『そりゃ良かったなァ。お前なァ、おはぎは一旦頭から離しとけ』


照れてる俺にクスクス笑いやがってよォ

おはぎが恥ずかしくてお前の一歩前を行ってんじゃねェ

煉獄が妬いてんじゃねぇかァ!

煉獄がブスくれたら、お前は悲しむんだろォ?

俺もなかなか…くそみてぇにお節介な野郎だぜ。


宇髄の屋敷は家主と同じ様に派手だった。

何か宇髄に渡すものがあったようで、杏寿郎とはなは嬉しそうに渡している。


そうしたら、香りがどうとか、こうとか…

あいつ顔真っ赤じゃねぇかァ

宇髄の話と杏寿郎の話の辻褄を合わせれば、恐らく宇髄があげた何かがはなに作用した…ってところだろう。

それも…男女のアレのようだ。

わかっちゃいたさ。

いつかはそうなるだろうことくれェ。

今しがた見た、首元の花が何よりの証拠じゃねぇか。

面白くねェ

でもよォ…恥ずかしがって小さくなりながら、あんな顔してんの見たらよぉ…相当にクルもんがある。


そんなはなの元へ杏寿郎がすかさず駆けてきて、思わず視線を逸らせば宇髄に気付かれ、またおはぎでからかわれる始末だ。


調子が狂うにも程がある…。

宇髄にだってろくに言い返せねェ!!


あぁ胸糞わりィ…




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