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夜空に輝く星一つ。【鬼滅の刃 短編 中編 】

第8章 evergreen[不死川実弥]



 揺れる体を縫い付けるように覆い被さったまま、はなの頭を抱き込んだ。掠れた声で喘ぐはなのつむじに口づけ、髪の中に手を差し込み一気に突いた。
 揺さぶって意識を保つこともやっとのハナを何度も突いて攻め立てた。
 敷布に散らばる髪に汗が散るほどに。

「あっ、ん…あぁっ…ぃやぁっ…」

「はな……俺を見ろ。おめぇを抱く俺の姿をその目に焼き付けろ」

「んっ…はぃ…」
 
 ──おめぇのことをこの世で一番好いてる男の顔を忘れんじゃねェぞ。

 はなは閉じていた瞼を開けてその瞳に俺を映した。

「くっ…出るっ…!」

 甘い声を出し続ける唇を塞いで、はなの中にぶちまけた。到底己の手では味わえない満足感に支配された体に、はなが腕を回して背中を撫でてきた。頼りねぇほど細く力の入らない腕で、子どもを宥めるように何度も。


 俺はこの腕に救われた。己の無力さに腐る一方だった俺を、闇から日の当たる場所へ引き摺り出したのははなだ。
 何もかもが色褪せて見えていた景色に色を添えた。体は朽ちていくのに、想いは常緑樹のように朽ちることがないと知った。あの世には何も持っていけやしねぇが、この想いだけは持っていける。
 だからよォ……また俺と一緒になってくれねぇか?
 おめぇが天寿を全うするまで何十年だろうが、何百名だろうが待ってるからよ。

 

「実弥さん…ありがとう」

「なんだよ急にィ」

「一つになるってこんなに幸せなんだなって思って。実弥さん…生まれ変わっても私とまた一緒になってくれますか?」

「考えといてやらァ」

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