第1章 the very first day
次に気が付いた時、さくらは祖母の膝の上で寝ていた。
鼻をくすぐる色とりどりの花の香り、耳に心地良い川のせせらぎ、柔らかな風と祖母の手が頬を撫でていた。
『おばあちゃん、、、?』
『さくら、良かった。目が覚めたかい』
『ここは?』
『うーん、どこだろうね』
『? 家に帰ろうよ』
『そうだね、さくらは早くお帰り。お母さん達が心配してたよ』
『おばあちゃんも帰ろうよ』
『おばあちゃんは一緒には行けないのよ』
『何で?』
『一緒には行けないけど、さくらのこと見てるからね』
『え、どこに行くの?いや!一緒に居て!おばあちゃん!』
『いつでも見てるから、、、』
『おばあちゃん!!!』
起き上がると周りには涙を浮かべた母と父がいて。
祖母だけがいなくて。
『うっ、、、うぅ!さくら!!良かった!良かったー!!』
祖母はその命を私にくれたことを知った。