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【ヒロアカ】マイスーパーヒーロー

第1章 the very first day


「、、、」


爆豪は目の前で固まったままのさくらを見ていた。


その顔は青ざめて、至近距離にいる爆豪のことを見もせずに、小刻みに震えている。



やっぱりコイツには何かある。



『奴は、清野さくらを狙った可能性がある』


事件後、爆豪が最初にそう報告をした時、皆は彼の話に懐疑的だった。


『しかし彼女は無個性の、ただの看護師だろう?』

『無個性の人間が、ヴィランの仲間ということも考えられないしなぁ』

『1人のただの女性を狙う為に病院丸ごと破壊するなんて聞いたことがない』

『でもあの野郎と何か話してた!すぐに彼女を保護すべきだ!』

『聞いたわけではないだろう?』

『そう見えただけかもしれない』

『彼女も警察には何も話していないらしいじゃないか。自分が狙われてるとなったら普通は何か話すだろう』

『クソが!テメェらに話しても埒があかねぇ!いいからあの女を呼べ!!』




そうして終わった報告会。


爆豪は確かに見ていた。あの影が彼女に話しかけるように近づくのを。そして、爆豪だけでなく次々とヒーロー達がやって来るのを勘づいた途端に、あの場から去っていったこと。そして去り際に彼女に送った怪しげな視線を直感で感じたのだ。



ただそれだけでは無個性の人間をそこまでして狙う理由を説明できなかった。
だからさくら本人の証言だけが唯一の彼女を守ることのできる武器だった。





「デクは、アイツらはお前の気持ちが案じて、あれ以上聞かなかったが、俺は、、、違ぇ。テメェらみてぇな弱っちぃ奴らがどんな理由で言わなきゃならねェことを言わねェのかなんな全ッ然、理解できない」



爆豪の吐露にさくらがハッと顔を上げる。



「ただなぁ、言っておく。俺はヒーローだ。近い将来、ナンバー1になるヒーローだ。ちゃんと助けを求めてきた奴らのことは絶対に、何があっても、どんな奴が相手だろうと、必ず守ってやる!!」




さくらの黒目がちな瞳が揺れて光を取り戻すように、爆豪の瞳を見つめ返した。



「だからテメェはせめて助けを求めろ。ちゃんと言え。あん時みたいに。そしたら約束する。今後アイツに指一本だって触れさせねェ。絶対にだ!!」



その瞳に向かってまっすぐ、言い聞かすようにはっきりと、爆豪は誓った。




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