第4章 遭遇
本当にこれで良かったのか?
飛び立ってから一度振り返ると、小さくなったさくらがまだこちらを向いていた。
目を細めるとその顔色はまだ悪い。
きっと無理している。
それなのに、小さく手を振るその顔は、笑っているように見えた。
そんな風に見えるのは自分のこの罪悪感を消そうと必死になっているからか?
今すぐ戻りたい。
今すぐさくらのもとへ飛んでいったら、喜んでくれるはずだ。
喜んで……
……いや、違う。
アイツは言ってくれた。
『いってらっしゃい』
言ったんだ。
行け、って。
ナンバーワンなら行くぞ、って。
ナンバーワンに近づいて来い、って。