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東卍ショートストーリー

第2章 アップリケ騒動


 83抗争が終わりひと息ついていた東卍メンバー。ある日の集会にてその事件は起きてしまった。

「こん中に、三ツ谷に特服直してもらうのひよってる奴いる!?」
「いねえよなァ!アップリケ縫い付けてやんぞコラァ!」

 総長のあとに続く三ツ谷の突拍子もない発言に、隊長の面々がぎょっとする。

「おいどうした三ツ谷」
「急に頭バグっちまったな」

 総長と結託して何か悪巧みだろうか、それとも単に嫌がらせなのか。

「おいマイキー、それは三ツ谷が大変過ぎるだろうが。オレは遠慮するぞ」
「遠慮すんなよ、アップリケのリクエストも聞いてやるから」

 場地の気遣いをよそに、三ツ谷はやる気満々の様子だ。

「お前ら良かったな。俺は83抗争で特服着てねえから」
「オレも上半身着てねえぞ」
「カラムーチョそれは途中からだろ?裏切るなよ?」

 特攻服がキレイなことをアピールするマイキー。もしかして逃げるつもりだろうか。
 それを察知し便乗するムーチョをスマイリーが止めにかかった。

「はい、着てた奴は全員特服差し出せ~」
「ずりいよマイキー。この際甚平でもいいから付けてもらえよ~」

 ぎゃいぎゃいと皆が騒ぐなか、ドラケンがふとした疑問を三ツ谷にぶつけた。

「三ツ谷はなんでそんなにアップリケ付けたがってんだ?」
「こないだの手芸部の強化合宿でアップリケ作りまくったからさ、在庫抱えてんのよ」

 三ツ谷の回答に、そういう事か…と納得しかけたドラケンだったが、いやいや冷静に考えるとやっぱりおかしい。

「ケンちん!龍のアップリケ付けてもらえば?」

 マイキーが楽しそうに口をはさんでくる。イヤな予感しかしないので、ドラケンは早速危険回避に取りかかった。

「あーオレも83抗争では特服着てねえからなー、穴開いてねえわ。残念だったなー」






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