【ハイキュー!! 】黒尾くんのカノジョ【黒尾鉄朗】
第10章 好きだから
泣きじゃくる私を、宥めるように抱きしめてくれるてっちゃん。
その手は温かく、優しい。
幸せだと感じた。
「なあ?名前」
「うん?」
「そんな姿でいられるとさ…俺…反応しちゃうんだけど…」
「………」
確かに硬く反り勃ったものが押し付けられる。
「てっちゃん、最低。信じらんない。変態」
「えっ?だってお前が___」
「もういい。早くお風呂入ってきて。ご飯作るから」
「…はい…」
しょんぼりとしている姿が愛おしい。
クスリッと笑って、てっちゃんの後ろ姿を見送った。
「あ、てっちゃん」
「うん?」
「家事終わったら、久しぶりに___」
「ん?セックス?」
………。
てっちゃんの頭の中は、その事しかないのだろうか?
「えーと…勉強しない?」
「へ?何で?この前期末終わったばっかじゃん」
「バレーも大事だけど、私たち受験生だよ?どこの大学に進むのか、真剣に考えて勉強しないと」
「言われなくても分かってるよ。つーかさ、名前は将来の夢とかあんの?」
「んー。ない」
きっぱりと言い切った。
自分が大人になった時のことなんて、想像できない。
だからこそ良い大学に進んで、それを模索するんじゃないのかな?
何もなかったら、無難に公務員?
っていうか、私は大学に進めるのだろうか?
てっちゃんと毎日エッチして、ナカに出されている。
もし子供が出来てたら、私は母親になるのだ。
子供の私が、赤ちゃんを育てるなんて出来るのかな?
先行きが不安になった。
もし子供が出来てても、てっちゃんの将来を左右したくない。
好きな人の未来を決める大事なことだから。