【ハイキュー!! 】黒尾くんのカノジョ【黒尾鉄朗】
第8章 合同合宿part2
「名前ちゃん」
「名前ちゃーん」
揺さぶられて、はっと目を覚ます。
すると見知らぬ所にいた。
あれっ?
「はっ!そうだっ!合宿!」
「びっくりしたぁ」
「英里ちゃん、ごめん。ありがとう」
「うん、朝ご飯の支度に行こう?」
「分かった!すぐ着替えるね」
選手の朝食の配膳も、私たちマネージャーの仕事だ。
昨日は久しぶりにてっちゃんと一緒に寝なかった。
なんか寂しい。
これが一週間も続くのかぁ。
「あの?すみません」
「………」
「名前さん?」
「へっ?あっ、はいっ!」
「…サラダ。多めに貰えますか?」
「あ、はいっ!」
仕事中にぼんやりと考え事をしてしまった。
この子、昨日てっちゃんとスパイクの練習をしてた梟谷のセッターの子だ。
えーと、赤葦くん。
「はいっ、どうぞ。練習頑張ってね」
「…あ、はい」
随分とクールだな。
セッターって、やっぱり洞察力が優れている子しか出来ないのかな?
しげしげと見入ってしまう。
「あ、それと」
「ん?」
「その首、隠した方がいいですよ」
首?
そういえば昨日も、誰かに首って食われたっけ?
後で確認しよう。
「あ、てっちゃん、おはよう」
「おはよー」
「随分、眠そうだね」
「あー。なんか名前が隣にいねえと、眠りが浅くてさ」
「そ、そっか」
公衆の面前で、何てことを言うんだね。
君は。
確かに今までのてっちゃんなら、枕に挟まれれば熟睡出来ていたのだろう。
しかし今は、私の胸に顔を埋めて、眠るのが日課になりつつある。
たまに子供みたいに、おっぱいしゃぶりながら寝てるし…。
思い出しただけで、ぼっと恥ずかしくなった。
兎に角、一週間てっちゃんが安眠できますように。