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【ハイキュー!! 】黒尾くんのカノジョ【黒尾鉄朗】

第2章 変化のキス


 


「おっ!!名前ちゃん、発見っ!待ってたぜー」

「…てっちゃん…」



下校途中。

校門まで歩いていると、ニヒルな笑みを浮かべた幼馴染が待ち構えていた。


彼の名は黒尾鉄朗。


もう一人の幼馴染、孤爪研磨はいない。


何だろう?

なるべく目立ちたくないのに。


用があるなら家に帰ってからでもいいじゃんか。


研磨程ではないけれど、内向的な私は注目を浴びるの苦手だ。

不機嫌な顔をてっちゃんに向ける。



「何?」

「いやぁ。ちょっとお願いがあってさ。お話、聞いてくんない?」



今向けられている笑みに、良い思い出はない。

だいたい面倒事を押しつける時の顔だ。


幼馴染をなめんなよっ!


こういう時は…



「逃げるが勝ちっ!」

「あっ!待てっ!」



私はダッシュで逃げた。



しかし、悲しいかな…


相手は運動部。



「はい!つーかまーえた!」

「いーやー!!」



呆気なく捕まえられてしまった…



「じゃあ部室に来てね」

「やだ」

「まあまあ。クレームは後で聞くからさ」

「やだ」

「抵抗すんの?なら、よっと」

「ぎゃあっ!」



俵担ぎされてしまった。



「じゃあ部室行こうな。名前ちゃん」

「ちきしょうっ!」



悔しい。

そして恥ずかしい。


運ばれている最中、周囲の視線が突き刺さる。

そりゃ嘸かし目立つ光景だろうよ。


私とてっちゃんの身長差は30cm以上もあるのだ。

傍から見たら、誘拐犯と少女Aに見間違われても致し方ない。


頼みの綱の研磨はいない。


いた所で「面倒くさい」と言って、助けてはくれないと思うけど。


仕方ない。

出来る限り顔を隠そう。





(…てっちゃん…)

(ん?)

(頭に血上った…おんぶして)

(はいはい)

(うー。クラクラする)


 
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