第6章 月夜に色づく ※
「ハイジさん」
自ら脚を開き、濡れた場所を晒した。
ハイジさんがしているのと同じように、私も自分の指でそこを撫でる。
「あ…っ」
いつの間にか、こんなに……。
入口を少し擦っただけで、すぐに指が飲み込まれてしまう。
「んんっ、弄って…」
「エロ過ぎるだろ…」
ハイジさんの顔がそこに埋まった。
割れ目が開いたかと思えば、間髪入れずに舌が這う。
ピチャピチャと音を立て時折啜って。
膣壁も膨れた蕾も、味わっているかのように時間をかける。
「んあっ、や、ああんっ、きもちい…っ」
私の体液なのかハイジさんの唾液なのか、もうわからない。
タラリと流れていくそれがシーツを汚してしまうと過ぎったけれど、そんな心配には及ばず、ハイジさんの舌が丁寧に舐め取る。
淡白だなんて、とんでもなかった。
まるで真逆……この行為にどっぷり浸かっている。
「可愛い声だな」
「だって…。ハイジさんがそんな舐め方するから…っ、やんっ、だめ、指…っ」
「どんどん溢れてくる」
舌が指に変わった。
幾度かゆっくりと行き来したかと思えば、グッと内側が広がる。
きっと、指を増やされたのだ。
「やっぱり、ハイジさん、やさしい…」
「何が?」
「大事に、んんっ、触ってくれるもん。痛いこと、全然しない」
いくら熱情の最中であっても、私への思いやりを端々から感じられる。
私を好きになってくれたことが幸せ過ぎて、この恋こそが最後であればいいと願わずにはいられない。
「痛いことなんてできるわけないだろ?こんなにも大切なのに」
「……うん」
涙が滲むのは、快感のせいだけじゃない。
ハイジさんへの愛しさで胸がいっぱいだから。
「んんっ、あ、待って、わたし、イッちゃいそ…」
「いいよ」
「でも、あっ、や…、どうしよっ、きちゃうっ、ああっ…」
上壁を擦られれば、エクスタシーが決壊し泉のように溢れだす。
「だめ、ほんとに、や、やだ、出ちゃ…っぁああ…っ!」
自分の嬌声の向こう側で、水が爆ぜる音が聞こえた。
「はぁ…はぁ…」
乱れた呼吸を整える。
ハイジさんの体にしがみついたままの手を、そっと離した。
オーガズムを越えた頭は、徐々に冷静さを取り戻す。
ふと、臀部の下に冷たい染みを作っているのがわかった。