第2章 君の秘密
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「……聞く気はあるよ」
「ふぅん」
二人を夕闇が包んでる
「……何となく、聞くのが怖かったから、茶化してみた」
「ふぅん…そう」
暗闇に包まれた君の顔は
どんな表情を浮かべているのかは
よくは解らなかった
だから
「…良いよ、聞くよちゃんと…言ってよ」
「……うん」
だからきっと、君にも
俯いて暗がりに立つ僕の表情は、見えて居ない筈だ
その筈だ。
「……ねぇ、もしかして……智くん、泣いてない?」
「っ…!!」
びっくりして顔を上げた拍子に
眼の縁に溜まっていた涙が
零れて落ちた。
「うっそ、マジ泣いてんじゃん!!
何?どした!?」
「…何でもねぇよ、ちょっと目にゴミが入っただけだよ」
「嘘つけ!
…そんなに俺の秘密聞くのが嫌だったの?」
「ちげーよ!
なんでそんなことで俺が泣くんだよ!」
ムキになって叫ぶ僕の眼からは
情けないことに、涙が溢れては零れ続けていた
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