第2章 君の秘密
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「……智くんさ、一度も誰とも付き合った事ないよね?
……何で?」
すっかり暗くなった河原に立ち尽くして、翔くんがまた同じ事を訊く
「だから、秘密って言ってんじゃん」
同じ様に河原に立ち尽くし、僕が答える
「じゃあ、俺の秘密教えるから、智くんの秘密教えてよ
教えてくれるよね?」
「だから、それも秘密だって言ってんじゃん」
言える訳がなかった
僕の、ずっとずっと隠し通して来た秘密を
明日、見合いをする事が決まってる彼に
言える訳なんて、ないんだ
「……いいよ、じゃあ
智くんが教えてくんなくても良いや
その代わり、俺の秘密知っても引かないって約束して。」
「引くような秘密なの?
二十歳過ぎて寝小便したとか?」
「そりゃニノだろ」
「じゃあ、“他人事”を“たびとごと”って読んだとか?」
「そりゃ、相葉くん」
「んじゃあ…酒を飲むと情熱大陸っちゃって、朝まで熱く語りまくるとか?」
「だから、それ俺じゃないし、松潤だし
て言うか、俺の秘密聞く気あんの?(苦笑)」
翔くんが、仲の良い友達の引く話し(笑)ばかりを引き合いに出す僕を見て
苦笑いした
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